遺言書の書式は「こうでなければならない」と決まったものでは有りません(自筆証書遺言では書き方が多少決まっておりますが)。
ただし、自分以外の第三者に、はっきりと意図が伝わるよう、「誰に」「何を」「どうするか」という点を誰からも分かるよう文章で書き記さないといけません。
そのような理由で、一般的には下記のような書式で残されます。
遺言を作成する際には、遺言によって譲る財産に関する書類をまずご用意ください。
例えば、下記のとおりとなります。
公正役場にいって作成する公正証書遺言では、文案は公証人が作成してくれるため、書き方について悩む必要はありませんが、自筆証書遺言では、全部自分で作成するため、書き方に疑問が生じる場合があります。
特に”財産の特定方法”が曖昧であるため、いろいろな解釈ができてしまったり、また自宅を自宅と特定出来なかったりします。財産の特定方法は、下記の形式で書き記すようにしましょう。
不動産登記事項証明書を取寄せ、下記の項目を記載してください。
所在、地目、地番、地積
所在、家屋番号、種類、構造、床面積、敷地権割合、敷地権の表示
預貯金の場合は、通帳を見ながら下記の項目を記載してください。
金融機関名、本支店名、普通か当座か、口座番号
口座種目(通常貯金など)、記号、番号
車の場合は、車検証を見ながら、車名、型式、車台番号の項目を記載してください。
公正証書遺言の遺言の場合は、公証役場で保管されるため、何所に保管しておくか悩む必要がありません。
一方、自筆証書遺言の場合は、第三者に簡単に発見されると中身を見られてしまいますし、逆に誰からも発見されないと、遺産分割がなされて、遺言どおりに財産を分配してくれない可能性があります。
したがって、自筆証書遺言の場合は、信頼出来る第三者や遺言執行者に預けたり、また、保管場所を伝えておく方が良いでしょう。貸金庫などに保管する方法もありますが、後々貸金庫を開くのに、相続人全員の同意が必要だったりと、手間がかかってしまうため、おすすめはできません。
また、自筆証書遺言では、遺言者が亡くなった後は、封を開けずに家庭裁判所に持って行かなければなりません。しかし、いざ発見されると、中身が気になり相続人が直ぐに開けてしまう事もあります。
それを防ぐ意味で、封筒を2重にしておき、内封筒には「封を切らずに家庭裁判所に持って行く」旨を記載して方法があります。